鎖骨骨折物語 第4話 オペ

鎖骨骨折物語

手術の時間が近づいてきた。

病室のベットに横たわったまま手術室へベットごと移動する。

こんな場面TVの救急病棟24時でみたことあるな。

手術室に入り名前を確認される、手術する場所を確認される、万が一にも他の患者と間違えない為だ。

手術室も何部屋かあるようで、最初に入った部屋を抜けて更に次の部屋を抜けて今回私が手術してもらう部屋へと入る。

今日の手術を担当する〇〇です。と3人程に挨拶された。

更にスタッフはもう数名居るようだ。

手術台の上には手術用の大きな照明がある。

心電図やら血圧計やらを身体につけられていく。

尿道にクダを入れられる話もされた。

呼吸器をつけられているのだがそこからガスのようなものが出てるのが分かった。

全身麻酔ってやつだ。

一度全身麻酔を受けてみたいと思っていた。

手術室内の音が聞こえる。

話では数秒で意識が無くなるそうだ。

も、もうそろそろか?

最後の疑問符を使う前にスコンとおちた。

遠く、遠くで何やら夢を見ていた。

それだけを微かに覚えている。

意識が戻ったようだ。

「無事に手術終わってますからね」

この言葉に感謝する。

喉が変な感じだ。

呼吸用のクダを入れられていたからだ。

あっ、なんか尿意が、、、

「オシッコ用のクダはいつ外せるんですか」

正直クダを入れたまま病室へ戻るより、今この意識がもうろうとしてる時に抜いて欲しかった。

もう外してもいいとの事で外してもらう。

「じゃあバルーンの方抜いていきますね、あっ、まだオシッコ出てるのでお腹押さえますよー、はい、もうちょっとでーす、違和感有りますよねぇ〜 はい抜けました!大丈夫でしたか?」

痛く無くて良かったぜ。

手術室を出て病室へ戻る。

痛みは全く無い。

左手の感覚も全く無い。

手術が終わった安堵感半端ねぇ。

体の中で覚醒した部分とだるい部分が共存している。

お腹空いたなー。

明日の朝まで何も食べられない。

物凄く身体が弱ったように感じる。

寝てしまいたいけど寝る体制でベストポジションが見つからない。

腰が軽く痛い、我慢出来なくも無いけど眠りの邪魔だ。

早く朝になって朝ご飯食べたい!

それだけを思いながら時計を確認する。

30分寝ては2時間目が覚めての繰り返し。

途中何度か左腰から大腿骨にかけてのアザの場所がかなり痛んだ。

普段痛くないのに何故だ!

コレは痛みを伴う夢なのか?

30分程で何事も無かったかのようにおさまる。

左手は少しずつ麻酔が切れていく。

1時間前より感覚が戻ってるなと確認する。

今回左手を骨折しなくて良かった。

コケる時に手からいってたら間違い無く折れてた。

自分の身体、もっと大切にしていこう。

まだ感覚のない左手の指先を右手で掴んでお腹の上で組んだまま朝を待った。

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