鎖骨骨折物語 第1話 骨折

鎖骨骨折物語

仕事から帰宅していつものように愛車であるパラトルーパーというマウンテンバイクに乗って、いつもの遠賀川沿いのサイクリングコースを走っていた。

家まで残り3キロほど

この日は午前中に雨が降っていたのでサイクリングコース上もぬかるんだ場所があったが気をつけて走っていた。

追い風って事もありスピードものってる。

自転車のサイクルコンピュータの時速は30キロを軽く越えていた。

そんな時に最高速トライアルをやってみたくなるのは私だけでは無いはずだ。

立ち漕ぎの体勢に入り勢いよくスピードを上げ始めた時だ。

一瞬車体が滑ったかと思うと身体が地面を打った。

あれ?何で?

転げたまま走って来た方向を見ると自転車の先に泥の水溜りがあり、そこにタイヤのスリップ跡がクッキリと残っていた。

あ、頭が痛い。

とりあえず早く家に帰らねば!

身体の左半分から地面に叩きつけられた感じなので左腰、左肩が特に痛い。

頭はガンガンするほどでは無いのでなんとか行けそうだ。

右手でチャリのハンドルを握って家までの道のりを歩いた。

身体が痛むので1キロ1時間程のペースで足を引きずりながら歩く。

何故家に助けを求めなかったのか。

それは自分の身に起こったことに対する現実逃避やら心配させたく無いやらといったところか。

サイクリングコースから車道に上がり歩道をトボトボ歩いていると若い夫婦が車を止めて降りて来た。

「大丈夫ですか」

「あ、大丈夫です」

「でも頭から血が出てますよ」

「コケちゃって、家まで直ぐなので、本当にありがとう」

そう言って夫婦から逃げるように家へと向かった。

夫婦は釈然としない感じだったが、人の優しさに触れて家まで帰るパワーに繋がった。

日も落ちた頃に我が家に辿り着いた。

限界だった。

そのままの格好で自室のベットに倒れ込む。

体感的に熱が高い、40度くらいありそうだ。

でももう動けない。

明日仕事行けないかも。

念の為高熱が出てる事をLINEした。

ベットに横になって改めて肩の痛さに疑問を抱く。

今更だけど、肩やら鎖骨辺りどこか骨が折れてるかもしれない?

ネットで鎖骨 骨折とか検索して自分の症状と照らし合わせる。

んー分からん。

時刻は20:00 病院行っても空いてないよな。

救急に電話して聞いてみる。

近所の新水巻病院ならみてもらえそうだが担当医師は朝8:00からだとのこと。

朝行って待ち時間長いだろうしどうしようかな。

一晩寝てから考えよう。

今後の行動が整理できた所でトイレへ向かう。

ベットから起き上がるのも一苦労だ。

トイレから戻りベットに横になる。

改めて感じる。

これはもしや、重傷なのか?

右手右足は問題無い。

左手は腕を動かすと肩に響く。

左の腰回りが痛い。

そうこうしていると出勤時間が近くなって来た。

コレは流石に車の運転出来ない。

チャリでこけて頭打って肩が痛いので休ませてもらうことに。

自分でもどうなってるか気になったので頭を自撮りしてみた。

部屋が暗いのでシャッター押してからピントがあってシャッター切られるまで時間がかかる。

あらあら、赤くなってるじゃないの。

冷凍庫まで保冷剤を取りに行く。

家族は寝ているようだ。

猫達が心配そうにこっちを見ている。

なんだかんだで鎖骨が1番痛い。

触ってみるとかなり熱を持って腫れている。

時刻は3:00 鎖骨の上にタオルを巻いた保冷剤を置いて目を閉じる。

肩に伝わる心地よい冷たさに安心したのか、そのまま眠りについた。

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