丸留物語第1話 おはよう逮捕

丸留物語

2/15早朝

ケイサツダ、ケイサツダ

いきなり数人の男達が家の中に入ってきた。

寝室に入ってきた男達

寝惚けながらまず始めに思ったのが

鍵しめて無かったっけ?

コレは夢なのか?

いや、現実だ、スーツ着た男達が沢山寝室に入ってきた。

ついに来た

逮捕状が出てる事は分かっていた。

ここ1か月の間いつパクられに来てもおかしくないと腹をくくっていた。

当時の私は基本寝る時は裸だった。

隣にいる女も裸だった。

毎晩セックスした後は裸で抱き合う

眠りに堕ちる寸前背中を向ける

夜中ふと目が覚めた時に感じる肌の感覚が好きだった

朝起きた時に裸の女を抱ける幸せ

そのまま行為に及んでいた。

しかしこの日は違った。

寝起きから数秒経った後、刑事が来たことを理解した。

私の第一声目は「パンツはいていいですか」

だった。

女刑事も来ていてすぐに女と私は別々の部屋に隔離された。

2LDKの部屋

女は寝室、私はリビング

リビングでは飼い猫がゲージの中でミャアミャア鳴いていた。

昨晩猫を叱った事が悔やまれる

もっと優しくしてあげればよかった

ガサ入れ

とにかく家の中を引っ掻き回される。

散らかしっぱなし。

腹は括ってるので大人しくする。

家の電話やら携帯がひっきりなしに鳴る。

同時にパクられた仲間達の情報を聞いてかけてきてるのだろう。

勿論電話に出ることは出来ない。

3時間程家の中を引っ掻き回された。

最中に腹減ってたら何か食っていいと言われたけど当然食欲は無い。

2/15前日はバレンタインだった、冷蔵庫の中には手作りのチョコがあった。

ゴメン、チョコ食べれなかった。

刑事たちがあれこれ言ってくるけど今後の事で頭が一杯だ。

近所に美味いラーメン屋あるか?とか聞いてきた刑事もいたが未だにその質問の真意は謎のままだ。

逮捕状見せられてガサ入れも終わって家の中で女とのお別れ。

ゴメンな

一言呟いて警察車両に乗り込む。

車内でいきった刑事が言ってきた。

「お前10年はぶち込んでやるからな!」

シカトした。

警察署へ到着。

持ってきた荷物の確認やら写真撮影やら指紋採取して取り調べ。

何か弁当食べるか?って聞かれたけど食欲無い。

この時84キロだった私。

これを機会に痩せれるかもとか考えていた。

19時頃初日の取り調べが終わった。

留置所へ入る。

この留置所は3人部屋が6室と保護房がある。

見えないけど婦人房もある。

二十歳未満の少年の房も見えない所にある。

牢屋が横並びでその前に通路と監視台、洗面所。

部屋には2名の先住人がいた。

宜しくお願いします。と声を掛けて入室。

部屋に入ると早速色々聞かれる。

罪名は詐欺です。

10年は覚悟しろと言われました。

不思議なものでデカい罪程ランクも上がるのが悪者達。

あ、そうですか俺たちは窃盗なんでションベンです。

みたいな

その日は腹が減っていたはずだけど全く食欲が無く眠気も無くて一晩中寝れなかった。

天井がグルグル回っていた。

死にたかった。

この先10年刑務所とか受け入れられない!

絶望の夜

グルグル回る天井を眺めながら過ごした。

コメント

  1. ぽんた より:

    続き楽しみにしてますね

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