丸留物語 22話 引越し

丸留物語

普通、留置所で過ごす期間は長くても2か月程だ。

起訴されたら大体拘置所に移管される。

そんな中、私は何度も再逮捕されて気がつけば季節は夏になっていた。

逮捕されてから4か月過ぎ。

相変わらず接見禁止なので面会も無ければ手紙のやりとりも出来ない。

弁護士を通して簡単な連絡を行うのがやっとだ。

何が1番辛いかって、パンが食べれないこと!

拘束されてる留置所は朝昼晩が米だ

昼に自弁といって自分でお金を払って弁当を注文出来るが米だ

パン食べたい

そんな願望を担当刑事に言い続けた結果

なんと!警察署を移動する事に!

突然の引越し

共犯が関東各地の警察署に散らばってるので他の共犯と警察署を入れ替えることになった!

新たな警察署は今までと雰囲気が違う

今までの警察署は田舎な感じでのんびりしてたけど今回の警察署はガラが悪い

新たに入って来る私に物凄い圧力をかけてくる

そんな中、圧力に構わず平然な態度で対応する。

こんな留置所の中でも人対人の駆け引きが繰り広げられている。

尻尾を振ったら負けだ。

優位に立つ為にはどうすれば良いか

いつもそんな事を考えてる輩達

新しい房に入って挨拶をする

「マルマル警察署から移管されてきました」

元々共犯がいた留置所なのである程度話は通っていたようだ。

最初の緊張感は無くなりすぐに溶け込めた。

「話は聞いてましたよ〜大変ですね〜」

みたいな

で、翌朝私は感動した!

朝ご飯に食パン2枚

マーガリンとジャム、パックのコーヒー牛乳!

旨い!とても旨い!

マーガリンとジャムの組み合わせが最高だ。

ジャムはローテーションでマーマレード、イチゴ、ブルーベリー、チョコみたいな

パンとても旨い!

今でこそ好きな時にパンが食べれるが、この環境だとあまりパンを食べない

食パンなんて2か月に一度くらいだ

それが自由に食べたい物が食べられない空間にいると食パンですら高級食材になってしまう。

留置所の引越し、中々レアな経験だ。

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