丸留物語 第23話 留置所が変われば

丸留物語

前回留置所を引越したことを書いたけど

その続き

毎朝パンが食べれるのはいいけど昼と夜の飯がまずい

昼は元々期待していない

どこの留置所もご飯と漬物みたいな感じだ

しかしまぁ晩飯の弁当がまずい

提携している仕出し弁当の店だがこのら警察署が手を引けば必ず潰れるであろう

世の中にまずい弁当なんてそうそうみつからないから逆にレアだ。

弁当以外の話もしよう。

お菓子は500円コース1000円こーす1500円コースターと有る

中々良いセレクションをしてくる

留管の親父たちは普通

しかし中に入ってる人間はクセのある奴ばかり

若いヤクザが多くて毎日親父に大声で文句を言っている

本人達は掛け合いと言っている

要するに難癖をつけて謝らせたいのだ

マルマルさん今日もペラが回りますねぇ!

いゃあ、立派な掛け合いでしたよ!

とか周りがはやし立てるもんだからますます調子に乗る。

弁当に髪の毛何入っていようものなら1時間くらいガタガタ怒鳴ってる

この警察署は割と街中に有るので景色を眺めるのが楽しい

娑婆を行き交う人々を眺める

ちなみに同室の住人は私の他に2人いた

いずれも20代前半の若者

私は30歳になったばかり

1人は車のホイール泥棒

私も以前ホイールを盗まれた事有ると話したら謝罪された。

もう1人は傷害

2人とも執行猶予で直ぐに娑婆に出れる

ホイール泥棒は涙もろくて

私が娑婆に残した女の話をするだけで涙目していた。

自分と重なる所も有るのだろう。

金が無くてカレーに肉の代わりにシュウマイを入れた話をされた時も泣いていた。

私は笑いを堪えるのに必死だった。

留置所が変わって変化したのは中の人間と弁当と景色

こんなものだった。

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