で、でかい!熊野磨崖仏みてきた!

仏像仏閣探訪記

【仏像探訪記】第1回 日本一雄大荘厳な熊野磨崖仏

予備知識無しでぷらっ♪と見に行ったらがつん!とぶちのめされた。

その日は大分県国東半島をドライブしていた。

から揚げの聖地でから揚げでも喰らうかってノリであてもなく走っていた。

なんとか羅漢とかなんとか大仏なんかの標識が多い地域だ。

その中に熊野磨崖仏の文字を発見。

崖仏ってなんだ?

そこかしこにある観光案内の看板を見るとどうやら熊野磨崖仏とは崖に彫られた仏様らしい。

行ってみた。

車の通りの少ない田舎道、案内標識の通り向かうと熊野磨崖仏近くの駐車場に到着。

受付で通行料を支払うシステムらしい。

大人300円3歳児は無料だった。

何年前に作られたものだか知らないがこんな山奥の崖を削って大仏を彫ろうだなんて良い意味で言えば正気の沙汰じゃない!

全長350Mの道のりを歩けばソコに到着するらしいが幼児には険しくて上れないかもしれないと受付のおばさんに言われた。

同行した嫁は貸し出し無料の杖をレンタルしていた。

とはいいつつも道のりはそんなに険しくなく疲れたが普通に進めた。

途中落石注意の看板もあったがそんなにたいしたこと無かった。

私はただ単に軽い気持ちで大仏を見に来ただけなのです。

いきなり現れた石積の階段。

いきなりその場の空気が変わった。

この先は覚悟あるものしか通ることができない。

行くぜ!

ちょ、ちょっと待てよ!先が見えんのやけど?

何?石つんでるだけやん。

当然3歳児の娘は手を繋ぎながらも牛歩のごとくしか進めない。

ちなみにこの階段は赤鬼が一晩で積み上げたらしい。

他の日は分からないがこの日は観光客1人も居ない貸しきり状態。

私がどんなに険しい顔をしようが笑うやつなどいない。

気合を入れた私は娘を肩に担ぎよいしょ、よいしょと石段を登っていったのであった。

こんなに苦しいのは普段の行いが悪いからだ!などと自分自身を叱咤しながら上ること数分でダウン。

のこり45Mの看板が見えてる。

あと少しだ!頑張れ!

おや?すぐ先に左手に折れる道があるぞ。

数段上ったら見えたよ。

あら、こんにちわ

光の加減で写真ではみにくいが、壁に彫られた不動明王像が笑顔で迎えてくれた。

不動明王は普通怒った顔で上下を睨み付けているものだがここの不動明王は優しい顔つきだ。

こんなに優しい顔つきをした不動明王ははじめて見た。

てっきり不動明王だけかと思いきやその隣には大日如来が彫られていた。

大日如来は私の守り本尊でもあるため親近感が沸く。

ちなみに守り本尊とは干支によって区別されている。

未年は大日如来。

見分け方は胸元で忍者のような指の形を作っている。

細かく言えば金剛界と胎蔵界で指の形は変わるしまあ色々見分け方があるがそれは別の機会に囲うと思う。

この空間は間違いなくとてつもないパワーで溢れている。

何百年前の人間が作り上げたものを何百年もの間数え切れない人々がここで何を思ったのだろう。

逆に何百年とここで人々を見てきた崖仏は何を思ったのだろう。

一言で言えば壮大な歴史。

その中にある数々のドラマ。

今日ここへ娘を肩に担いできた私。

一生忘れることは無い思い出を作ることができた。

ここへ来たときあまりの暑さに上着を脱ぎ捨て夢中でこの景色を喜んだ。

こんな場所へ何の計画もなしにこれるなんて奇跡といっても過言ではない。

しかしいつまでもここに居るわけには行かない。

その時すでに夕方16時、おなかがすいていた。

来た道を戻る。

高所恐怖症でもある私にとって終わりの見えない急な石段は恐怖であるはずが帰りの道のりは気分が上がったままだった。

昔の人もこの道を通ってきたことを考えると感慨深い気持ちになった。

この景色をはるか昔の方々も見てきたのであろう。

石段を上るのは大変だけどきっとまたここに私は来る。

コメント

タイトルとURLをコピーしました